2010年11月12日 of GAIPRO.NEWS

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EOS 5D MarkIIにてクレイアニメーション

2010.11.12

P1000057.JPG

JPEG連番撮影で作るアニメーション

 クレイアート作家、くどう道絵さんの依頼で某番組のジングルタイトル用のクレイアニメを撮影することになった。今回は、その様子と弊社の撮影方法をご紹介します。
 クレイアニメは「花畑牧場の小さなお家」で、工藤さんと何度も撮影・制作してきた経緯があり、すでに慣れっこである。撮影は前回同様、EOS 5D MarkⅡで、一枚一枚JPEGにて撮影、撮影サイズは4080x2720で、これを編集時に1920x1080に収める格好だ。あらかじめ大きいサイズで撮影しておき、AfterEffectsなどのソフトでjpegシーケンスとして呼び込めば、編集時にズームやトリミングなどの加工が可能になる。撮影にはEOS付属のEOS Utilityにてリモート撮影を行うわけだが、弊社ではクレイアニメ撮影時、前のコマと次のコマの差異(動きの違い)などを常に見たい場合や、撮影したものを一度プレイバックしたい場合のために、クレイアニメ撮影専用ソフトであるiStopMotionというソフトも併用している。こちらは海外のシェアウエアで、クレイアニメを撮影する際にとても便利な機能が備わっており、値段もお手頃感がある。この2つのソフトを使用してデジタル一眼で撮影をすすめていくのが弊社のスタイル。

EOSユーティリティーで設定、映像確認

ピクチャ 3.pngEOS Utility撮影画面
工藤さんに撮影台上にアニメーションセットを組んでもらって、クレイ人形(通称クドール)を配置していただき、EOS Utilityを通してライティングや構図などをPCモニタで細かく確認していく。同時にカメラの設定、撮影データの取り込みディレクトリ、連番の名前などもEOS Utility上で設定する。ライティングは主に撮影用蛍光灯ライトを使用しているため、インバーターはついてはいるが、念のためシャッタースピードは東日本に合わせて1/50に設定している。絞りは被写界の深度の具合で決定、それにともなったISOの設定となる。特にセットと背景の「つぎめ」が気になるときは、背景をかなりボカしたいので、絞りは解放にしている。逆に人形同士の微妙な距離で、どちらかがボケてしまう場合は、可能な限り絞って撮影している感じだ。デジタル一眼を使用すればレンズは交換し放題なので、ビデオ撮影より自由度が上がる。特にクレイアニメのような接写中心のものだと、デジイチの接写系レンズでないと厳しい場面もある。300mで、50cmの接写などはデジイチでないと無理。


2台のMacで同時撮影

P1000038.JPG撮影は2台のMacBookで
撮影時には2台のMacで作業する。片方のMacはEOS Utilityで実際のJPEG画像を撮影取り込みして、もう片方ではプレイバック用にiStopMotionを起動してプレイバック用の画面をキャプチャしている。方法としては、EOS 5D MarkⅡのアナログ出力をコンバーターでFireWireに変換、それをIEEE1394経由でiStopMotionに映像を送る。ここで注意しなければならないのは、EOS Utility上でライブビュー撮影を起動してしまうと、アナログ出力はされないということ。必ずカメラ本体のほうでライブビュー撮影のボタンを押して一旦映像を外部に送り、その後で、EOS Utilityのライブビューのボタンを押す必要がある。また、この方法では、EOS Utilityの設定で、ハードディスクに直接データを記録する設定になっていると、なぜか連続でシャッターが切れない。そこで、一旦カメラのCFに撮影データを記録、あとでまとめてパソコンのHDにデータを転送、という形をとっている。(データ転送の際に、EOS Utility側で設定した連番名でデータをリネイムしてくれる。)


クレイアニメ制作に必須なソフト「iStopMotion」

P1000043.JPGコンバーターDVMC-DA2iStopMotionというソフトは本当に便利。オニオンスキン機能(前のコマと後のコマをハーフでダブらせて見せてくれる)はもちろんのこと、前のコマと、現在カメラに映ってるコマを交互にパカパカと見せてくれる機能もあるので、次のコマへの動きを作るときに便利。また撮影時に何かに触ってしまって位置がずれてしまった場合でも修正しやすい。FireWire入力に対応しているので、EOSで撮影する場合はアナログ出力をDVカメラやコンバーターを利用してFireWireに変換してあげればいい。iStopMotionは、高機能版としてBlackMagic社のHDMI入力カードに対応したものもリリースされている。ハイビジョンビデオカメラで、コマ撮り機能を使用したい場合は、こちらを利用してもいいだろう。ただ、HDMI対応版は値段が一桁変わる。



P1000042.JPGいろいろ便利なソフトは使いつつも、やはりクレイアニメーションの撮影は骨がおれるもの。弊社は1秒10コマのアニメを基本としているため、10秒作るためには、100回、息をひそめてシャッターを切ることになる。ドミノと同じで、途中でモノを倒したり、撮影台やカメラに触れてしまって涙を飲むことも多数あった。始めたころはSDでDVカメラなどで撮影していたが、時代はハイビジョンになり、かなりの解像度がもとめられシビアな画像処理も必要になる。撮影した連番のJPEGは後にPhotoshopで一枚一枚開いて調整、加工もしていく。
 このようにして完成したクレイアニメーションを、通して見た時に初めて、いい作品に仕上がったと、すべてが報われるのである。


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