2010年12月18日 of GAIPRO.NEWS

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FinalCutProで簡単にワールドカップ風映像転換

2010.12.18

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仕組みが分かると便利、FCPのアルファトランジション

 ワールドカップやオリンピックで、ロゴやエンブレムが映像を横切って映像転換するものをよく見る。ハイライト場面などをリプレイする前にキランと転換するあれだ。今回はFinalCutProのタイムライン上で、この表現を簡単にやる方法をご紹介したいと思う。FinalCutPro7からお目見えしたアルファトランジション。単純なトランジションでは表現できない、ちょっと変わった映像転換を自分でアレンジして作れるというものだ。せっかく備わった機能なのに、意外にも活用しているエディターが少ないみたいだ。これを使用すればエンブレム横切り転換も簡単に、かつスマートに出来る。今回の方法では仕込みにAfterEffectsを使用するが、Motionでも同じことができるので、AEを持っていない場合はMotionを使うといい。


アルファトランジションの仕様

EOS7Dアルファトランジションの設定画面アルファトランジションはFCPの「ビデオトランジション/ワイプ」の中にある。アルファトランジションをタイムライン上のクリップ間に設定し、それをダブルクリックすると、ビューアーに3つのクリップを設定する画面が現れる。上から順番に、一つ目はトランジションを形成するアニメーションのムービーファイルを設定、つまり今回では横切るエンブレムの映像を指定する。2つ目はそのクリップのアルファマットのみを書き出したムービーファイルを設定(エンブレム部分が白、アルファ部分が黒)、最後は、実際に映像が切り替わっていく範囲を白→黒でアニメーションしたムービーファイルを設定して完了(今回では、エンブレムの移動に合わせて、エンブレムを境に白から黒になるもの)。今回は例をとって分かりやすく説明したが、実際のところ、筆者がこの仕組みを理解する過程において、マニュアルを見て作業しようと思っても、最初はまったくイメージがわかなかった。しかし、アップルのサイトでもアルファトランジション用のいくつかのムービーファイルを無料ダウンロード可能で、とりあえずはそれらを設定して遊んでみて、設定したムービーファイルを個別に見てみると、よく仕組みがわかった。今回はその応用というわけだ。


AfterEffectsでアルファトランジション用のムービーを作る

スクリーンショット(2010-12-18 6.02.01).pngタイムラインは使用秒数の2倍の長さにさきほど説明した通り、マニュアル通りだとアルファトランジションには3つのムービーが必要だ(FCP上の設定画面では、上から「クリップ」「クリップアルファマット」「ワイプマット」となっている)しかし、実のところ2つで済む。省けるムービーは2つ目の、「クリップアルファマット」だ。これは、1つ目のムービーファイルにアルファの情報を埋め込んでしまえば省けるのだ。つまりアルファ付きのロスレス(アニメーション)か、ProRes4444で書き出せばいい。(ただし、アルファがきれいにぬけない場合もあるので、その場合は、アルファマットを用意したほうがいい)3つ目「ワイプマット」用は、1つ目のムービーにあわせて転換させるための白→黒のアニメクリップを作成すればいい。AEのコンポの設定は、FCPのシーケンスの設定にあわせよう。あとで間違えてHDのシーケンスにSDのムービーを設定しないように。


アルファマットは「白→黒」

スクリーンショット(2010-12-18 6.06.23).png白の平面をリニアワイプアルフトランジション用にムービーを作る際は、アルファトランジションをかける秒数の2倍の長さで作っておくのが基本。そうしておけば後からかける長さの微調が出来るからだ。
 1つ目の「クリップ」用のムービーは先に説明した通り、エンブレムが横切るアニメをアルファ付きで書き出す。ロスレスでもProRes4444でもOKだ。これで2つ目「クリップアルファマット」は省ける。
 3つ目の「ワイプマット」用のムービーは、「白→黒」でアニメーションを作る。今回の場合は、まずコンポの背景を黒にしておいて、白の平面レイヤーを用意し、それをエンブレムの移動に合わせてリニアワイプしてあげればいい。これで、エンブレムの動きに合わせて前の映像と次の映像が切り替わるマットが作成できる。書き出しはロスレスなどでいいと思うが、筆者は基本的FCPのシーケンスと同じフォーマットで書き出している。DVならDV-NTSC720x480で。HDならProRes422の1920x1080という具合だ。フィールドレンダーは特に必要ないと思う。
 この2つのムービーはタイミングを合わせる意味でも同じコンポで一旦作成し、書き出す際に、レイヤーの表示/非表示切り替えで、必要なレイヤーだけ表示させて2パターン書き出せばいい


FCPのタイムラインで簡単かつスマートな作業

スクリーンショット(2010-12-18 6.25.35).pngこうしで出来たアルファ付きのエンブレムアニメーションと、ワイプマット用の白黒アニメーションの2つのムービー、あとはFinalCutPro上で、かけたい場面にアルファトランジションを設定して、これらのムービーを設定すれば完成する。こうしてアルファトランジションとして仕込んでおけば、そのトランジションをビューアーから複数場面にどんどん設定できる。簡単かつスマートに「ワールドカップ分」の切り替えトランジションが設定できるというわけだ。



 ソフトのバージョンアップが進むにつれて、メーカーもどんどん高機能かつ便利なものを盛り込んでくる。しかしながらバージョンアップのスピードが早過ぎで、実際ついていけてないのが現状だ。知らぬ間に宝の持ち腐れになっている機能も数多くあると認識している。時間ある時にいろいろ試してみたいと思っていても仕事に追われてしまう毎日。AEで言うと、ロトブラシなどじっくりいじり倒したいところであるが、現状まだ起動すらしていない(笑)時間有るときに是非いろいろ試してみたい。そしてまたここで自分なりの使い方などご紹介できたらいいなと思う。


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