2011年7月21日 of GAIPRO.NEWS

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映像制作発注無用!? カンタン映像編集

2011.7.21

 Macを買うと、もれなくバンドルされてくるiMovie。存在は知っていても、実際使ったことがない人がほとんどのような気がする。「Mac買ったけど、なんか入ってたね~」みたいな。しかしiMovieは実はかなりの高機能を備えていながらにして、簡単操作、お手軽ビデオ編集ソフトである。最近リリースされたFinalCutPro Xが、このiMovieの操作性を踏襲してきたのもうなづける。(そういった意味ではFinalCutPro Xはプロのツールでは無いという意見が出たが)具体的な使い方は多少勉強するしかないが、映像制作会社の立場から見ると、プロ用のソフトに比べたら、とても分かりやすく直感的で簡単な操作に思える。担当者レベルでもちょっと覚えれば、多額の金額をはらって制作会社に発注する前に「待った!」をかけられるかもしれない。まさに商売敵のソフトなのだ。今回は編集技術者の目線から、iMovieを語ってみたいと思う。ちなみに下記はiMovieにて10分で作ってしまった弊社プロモーションビデオ(あくまで編集時間が10分)

映像の簡単な取り込み

Media まずは映像の取り込みだ。映像ソースにはさまざまなものがある。家庭用のビデオでも、MiniDVテープ、ハードディスク、SDカードと、様々なメディアでの収録があげられる。プロ用のソフトは映像をPCへ取り込む時点ですでに敷居が高い。設定なども、圧縮方式やらファイル形式やら、やたら専門的になってくる。しかしながらiMovieは、カメラ(もしくはメディア)をPCに接続して、とりあえず「取り込み」ボタンを押せばOK、すぐに編集に取りかかれるよう勝手にコンバートしながら取り込んでくれる。映像の知識や設定の方法など皆無で結構!ただし設定は2つだけあり、まず1つはどこに映像を取り込むかを指定すること。(iMovieでは取り込み先の事を「イベント」と呼ぶ)あとは、取り込み画質を「最大」にするか「大」にするかを選ぶこと。「最大」にするのはあまりオススメしない。細かい理由を述べると長くなるので割愛するが、取り込み時は「大」を選んだほうがいい。そのほうが快適に編集できるからだ。(一部、一眼レフなどの映像や、個人で作った映像ファイルは取り込み方が異なります。詳細はヘルプを見れば分かります)


編集の方向性はソフトまかせ

iMovieテーマテーマを選ぶとその場でサンプルが流れるいきなり編集しようとしても、いったいどういった作品にしようか、初めて映像編集する人にはイメージがつかないもの。iMovieはそんな初心者のために編集をする前に「プロジェクトテーマ」が決められる。ある程度のテーマにそった編集が可能で、そのプロジェクトで編集を進めて行けば、それなりの作品になってしまう。各テーマをクリックするとサンプル映像がその場で流れるので編集後のイメージがしやすい。ただ、テーマは無限にあるわけではない。ヘビーに使っているとテーマに飽きてくる。そこは割り切るしかない。あくまで映像初心者に楽しく映像編集が出来ることを目的としたソフトだという事。割り切って使う事ができれば、これほど高機能で楽しい編集ソフトは無いと思う。もちろんテーマ無しも選べる。でも筆者は「テーマ無し」を使ったことがない。そこまでしてオリジナリティーを出すためのツールでは無いと思っているからだ。(仕事ではプロ用のソフトをつかっているからかもしれない。)簡単、奇麗に、すばやく、楽しく、それがiMovieの映像編集と理解してほしい。


直感的な編集作業

iMovie編集画面映像編集の未来を感じる操作性一旦取り込まれた映像は、右下のウインドウに一覧が出る。ここの映像上にマウスポイントをもって行くだけで映像がすぐにプレイバックされる。なぞるだけで映像が再生されるのは、なんか手を鍵盤の上で滑らせて、いろんな音を出しているみたいな感覚だ。これをAppleは「スキミング機能」と呼んでいる。(この機能はプロ用ソフト、FinalCutPro Xにも実装された。)そして使いたい部分をドラッグすると、「使いどころ」が黄色の枠で囲まれる。あとはその枠をつかんでポンポンと上のストーリーボードに並べていくたけ。なんとお手軽なこと。筆者は休日に寝転びながら子供の映像をiMovieで編集している。片手で余裕に持ち上げられるMacBookAir11.3でも快適に動く。かれこれAirで30作品くらい作ったか(笑)スーっと使いどころを選んで、ポンってストーリーラインに乗せていくだけ。あとは上記で話したテーマが映像の方向性を作っていってくれる。もちろん細かい編集にも対応する。「トリム編集」は映像を微調整するのに役立つ機能だ。プロの映像編集ソフトでは一般的な言葉だが、ざっくり映像を選んでストーリーに並べて通してみたときに、どうしても「つなぎ目」が気持ち悪い場所が出てくる。そのあたりを微調整できる。詳しい使い方はここでは割愛させていただくが、このようなトリム編集の他に、機能を突き詰めていけば、実にプロ用ソフト並みの機能が備わっているのがわかる。直感的に繋いで終わりでもいいし、つきつめたければ細かい編集まで出来る、隠されたポテンシャルの高さは使いこなしていく過程で実感していくことだろう。



テーマに沿った簡単映像効果

エフェクトマイスオーバーで効果が確認できる次に簡単な映像効果。プロ用の編集ソフトは、効果をかけたりテロップ(文字)を映像に合成したりするのに、それなりの準備や下ごしらえが必要になる場合が多い。かっこいい映像効果やセンスある文字の出し方などは、ある程度の経験とノウハウが必要だ。しかしながらiMovieはテーマに沿った場面転換効果やテロップ(文字)効果がすでに用意されていて、あとは映像の好きなところにドラッグ&ドロップするだけ。文字はワードレベルで打ち込むだけ。もちろん細かく調整したければ文字色、エッジ、フォントや背景色も変更できる。しかもすべてリアルタイム。この「リアルタイム性」というのは映像に携わっていない方にはピンと来ないかもしれない。プロ用のソフトは「レンダリング」という作業があり、一旦書き出すことをしないと合成した結果が見れなかったりする。レンダリング中はじっと待っていなければならない。(といっても最近は大分リアルタイム化が進んだが)そういったわずらわしさをまったく感じさせない。MUSICタブiTunesに登録された音楽をその場でプレビュー
 BGMも簡単に入れられる。あらかじめGaregeBandからインストールされた音楽や効果音を使えるだけでなく、iTunesに取り込んだ音楽も使用可能だ。好きな曲をその場でプレイバックして、合う曲があれば、それをつかんでストーリーラインに放り込む。あとは使いどころにあわせて微調整して、途中でフェードアウトなどさせればいい。音の微調整も実はおどろくほど細かく、しかも簡単にできる。ちょっと残念なのは映像の音だけを先行させる機能が無いこと。映像の音を先行させるには、一旦映像と音を分離させて、音だけを伸ばし前の映像にかぶせる、といった方法があるのだが微調整が厳しいし作業が面倒だ。
 全体的な編集が終わり、映像効果もほどこしてテロップも入れ完成したら、あとは用途別に書き出すだけ。書き出しは「共有」メニューを使う。YouTubeやFaceBook、iPadなど、書き出しプリセットがあらかじめ用意されている。もちろん細かく設定して書き出すことも出来る。


利用価値有り、お手軽予告編機能

絵コンテ機能絵コンテに近い映像を当てはめていくだけ最後に新しく備わった「予告編ムービー作成機能」を紹介したい。これはかなりセンセーショナルな機能だった。すでに数パターンのテーマに沿った予告編のフォーマットが用意されていて、どれかフォーマットを選ぶと、「ここに、こんな文字と映像をほうりこんでください」的なウインドウが出てくる。そこには「アップ」だったり「フルショット」だったり「アクション」だったりと、絵コンテが出てくる。その絵柄に近い映像を探して当てはめていくと、なんと立派な予告編ムービーが仕上がってしまうというもの。企業ビデオを多く制作させていただいてる弊社からすると、瞬間的に「これはちょっとした社内のイベントビデオや販促ビデオを作るのにうってつけだな」と思った。しかも予算に頭悩ませている担当者レベルで自社作成可能かと。本当に予算がなく、なんとか自社でビデオを作らなければ、と思っている担当者いたら、まずこのiMoiveの「予告編機能」を試してもらいたい。もし家庭用ビデオを持っていて、最近のMacがあれば…。(Winの方は、MacMiniなら6万円台で買えるし、もちろんiMovieも入ってますね)まあ、最初と最後に余計なクレジットなどが入るが、不要だったら、書き出した予告編ムービーを再度iMovieに呼び込んで、その部分だけカットしてしまえばいい。


 便利で簡単なので、プロでもiMovieで編集してしまえばいいのでは、と思ってしまう。ただそこはやはり厳しい場面も出てくる。凝った編集をすればするほど「出来ない事」も出てくるからだ。しかしこれはプロの立場からの印象。あくまで担当者レベルで簡単な会社案内などを作成するには十分に活用できると思う。冒頭の映像も数分で作ってしまった。前述したように、これは「予告編ムービー」機能を利用したものだ。アイデアがあれば、とても手軽で、かつインパクトある映像が簡単に作る事が可能かと思う。「来週、社内イベントがあって映像必要なんだよなぁ。外注する予算も無いし」と思っている担当者の方々、iMovieで自家製ならぬ自社製PVを作ってしまってもいいかもしれない。
 まずはAppleサイトにあるチュートリアルビデオを見て、iMovieの世界を是非楽しんでみてほしい。このソフトのすばらしさは、ある程度覚えて使ってみないと分からないと思う。実はプロの世界では嫌われていたりする(笑)無料でバンドルされるソフトにしては本当に高機能ですばらしいソフト、間違いない。プロ用ソフト、Apple FinalCutProの最新バージョンは、このiMovieの操作性が踏襲されている。それほどiMovieは斬新で未来性ある映像ソフトということだ。



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