2011年8月30日 of GAIPRO.NEWS

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EOS 5D mark II の音収録改善案

2011.8.30

AZDEN CAM-3II

 ひと月に1回はDSLRの話題となってきました。弊社もEOSムービーでの取材は過渡期を迎えています。先日FacebookでもEOS 5D mark IIの音声に関して触れましたが、今回は外部レコーダーの音源は基本使わず、EOSで収録した音を完全に活かせるように音声周りをアップグレードしたので、そのご報告となります。大型CMOSセンサーを備えた業務用ビデオカメラも一般化する予想もあり、現時点でもすでに各メーカーで大型CMOSを採用したシネマカメラが販売されています。もちろん音まわりも業務仕様になっていますので、コンデジのように苦労することもありません。ですので、今回のEOSムービーでの音の改善に関してはそれほど価値のない話題かもしれませんが、EOSでの撮影も決して廃れてはいませんので(現時点でフルサイズというのは特異ですし)、該当する方がいらっしゃったら参考にしてみてください。

救世主となった超小型ミキサー

AZDEN CAM-3IIAZDEN CAM-3II、入力はマイク2系統、ライン1系統で出力はマイクレベル 基本的なEOS 5D mark IIの取材セットは、Facebook掲載の通りです。そこでTASCAM DR100のラインアウトからEOS 5D mark IIのマイクインに音声を送り込み、収録するというのがいままでの流れでした。この場合、当然ラインレベル→マイクレベルですので、抵抗入りのステレオミニケーブルが必須になってきます。弊社では近くの量販店でも売ってるようなソニー製の抵抗入りケーブル(1.5m)を使用していました。こちらを使えば、そこそこレベルの統制もとれ、EOS 5D mark IIの収録映像の音声は実用レベルになりました。しかしながら声が小さい方の収録音は、やはりEOS特有ホワイトノイズが気になってしまい、仕方なくバックアップで収録していたTASCAM DR100の音声を編集時に合わせて差し替えるなどしていました。そんな中、ビデオサロン9月号の記事(一眼流映像表現術 著:ふるいちやすし氏)に、EOS 5D mark II 側のレベルをできるだけおさえて、外部のアッテネーターで調整すればノイズをおさえることができるという情報があり、ピンとひらめいたのです。会社のタンスの奥に眠っていたAZDEN CAM-3IIという超小型ミキサー、これが使えるんではないかと。このミキサー、かなり小さいながら、マイク入力が2系統と、ライン入力が1系統あります。特筆すべきは、ミキサーのアウトはマイクレベルということです。つまり、このミキサー自体に抵抗が入っており、ラインレベル→マイクレベル出力が可変で可能になります。数年前に講演会などの収録を多数請け負った時があり、その際、会場からもらうラインのレベルが会場によってマチマチだったので解決策として購入した機材でしたが、最近ではその役目も無くタンスの奥に眠っていました。まったく古い機材もとっておくもんだなと思いました。(けっこうヤフオクで売ってしまっていますが‥)

同モデルで、AZDEN CAM-3III もありますが、こちらはマイク入力が3系統ですのでお間違えないように。


5Dに使える!AZDEN CAM-3II

EOS 5DEOS側のマイク入力レベルは極力下げるAZDEN CAM-3II抵抗入りケーブルの代わりに今後はAZDEN CAM-3IIへさっそくAZDEN CAM-3IIでの接続を試みました。TASCAM DR100のラインアウトから、AZDEN CAM-3IIのラインイン(CH3のジャック)に、ステレオミニケーブルで接続。AZDEN CAM-3IIのアウトからEOS 5DのMICインに、ステレオミニケーブルで接続。EOS 5D側の音声レベル調整は、左から1メモリより若干左寄りの位置で固定(レベルを絞る)あとはAZDEN CAM-3IIのCH3のスライダーで音声を調整。この状態で収録したらノイズはかなり改善されました。これであれば多少小さな声の方でもなんとか使える音質です。今後は抵抗入りケーブルの代わりに、AZDEN CAM-3IIと通常のステレオミニケーブル2本を用意して行きたいと思います。AZDEN CAM-3IIに接続するケーブルは極力短いに超した事は有りません。弊社は15cm程度の短めのステレオミニケーブルを使用してケーブルが煩雑にならないようにしました。電子工作の得意な方は短ケーブルを自作してもいいかもしれません。


 ケーブルの間にAZDEN CAM-3IIをかませただけだと不用意にブランと垂れ下がってしまい、ケーブルの接続部分にも負担がかかり不安です。なんとかAZDEN CAM-3IIをカメラに設置できないかと、EOS 5Dをなめますよう見ていたところ、ありました〜、このストラップを通す金具部分。幸いAZDEN CAM-3IIにはベルトクリップが背面に脱着できるようになっており、このベルトクリップをちょっと改良してあげれば、ストラップ金具にうまく付きそうです。ちょっと強引な方法ですが、ベルトクリップを大きめのハサミで切ってみました。プラスチック製ということもあり、意外にあっさり切る事ができました。またベルトクリップの先端は着脱防止のため盛り上がっている部分があり、そのままではEOSのストラップ金具に通らないため、盛り上がり部分を1つだけカットしました。これで無事装着可能に!すばらしくまとまった外観に、またもや自己満足。いえいえ、これも実用的な工夫です。不用意にケーブルごと垂れ下がらずケーブルに負担もかかりません。
AZDEN CAM-3IIミキサーが垂れ下がり、ケーブル接続部分の強度も不安EOS 5D mark IIストラップ金具はミキサー装着に一役買いそうAZDEN CAM-3II背面のベルトックリップの形状をハサミで加工


AZDEN CAM-3IIベルトクリップ先の2つの盛り上がりのうち1つを切断AZDEN CAM-3IIストラップ取り付け金具に装着してみるAZDEN CAM-3IIピタっと一体化した


AZDEN CAM-3II

 さて、実際に、通常の抵抗いりケーブルで繋いだケースと、AZDEN CAM-3IIをステレオミニケーブルでつないだケースで比較した映像をアップしておきます。こちらの音声をヘッドフォンなどで聞いていただければ一目瞭然ならぬ、一聞瞭然だと思います。背景の「サー」というホワイトノイズを注意して聞いてみてください。かなり改善されたのがわかります。これでまた弊社のEOS 5D mark II 取材セットがパワーアップしました。いままでのようにEOSムービー編集時に外部のレコーダーの音と合わせる必要が無いのは、編集側にはかなりの朗報。今後現場で威力を発揮しそうです。



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