2013年7月16日 of GAIPRO.NEWS

WHDI202TR

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激安無線伝送のススメ その後

2013.7.16

先日Newsで紹介したWHDI202TRですが、一般家電製品の割には業務でぜんぜん普通に使えています(w 無線で映像を飛ばせる事自体便利なのですが、なにより通信がとぎれた際のペアリングにもストレスがありません。ただ、ここ1ヶ月運用してみていろいろわかった事もあったので、一度このニュースにてまとめておこうと思います。

エネループからスマホ用バッテリーへ

LDE-WHDI202TRCheero Power Plusは交換する際に判別し易いように色違いを購入 当初は交換が気楽という理由でエネループ駆動を利用していましたが、最近では安価で大容量のスマホ用充電バッテリーが出回っている事もあり、弊社では「Cheero Power Plus 2」を起用してみました。Amazonで3000円そこそこでしたので、互換のNP-F970バッテリーを買うようなものです。検証したところ、受信機は連続使用で6時間半は持ちますし、送信機はまる1日使って電源が落ちる事はありませんでした。そこで受信機、送信機用に2台用意し、予備電源としてエネループ電源を忍ばせて現場に向かいました。満充電したCheero Power Plus 2のおかげで、現場ではまだ一度も電源を交換する事なくロケが終了しています。LDE-WHDI202TR無印製。PCのUSBポートを利用するより充電時間は短く感じる。
 スマホ充電バッテリーの利点は、そのままUSB電源が取れるところです。ですので、工作する事なく普通にUSB-USBminiBケーブルで接続できます。またバッテリー残量のインジケーターもあるので、あとどれくらい使えるかの目安にもなり計画的に使えます(といっても3メモリですが‥)Cheero Power Plus 2には2つのUSBポートがあり、違いは電流です。結果として「5V 1.0A」で駆動しましたので、弊社はこちらから電源をとりました。Cheero Power Plus 2は満充電までは結構時間を要しますので、充電には1日とか余裕を持っておいたほうがいいです。ちなみに充電には無印良品のUSBポート付コンセント(800円:ケーブル別)を利用しています。


カメラへの取り付けはスマホ用ホルダー利用


LDE-WHDI202TRホールド感もしっかりLDE-WHDI202TR受信機側はマジックテープでバッテリーを装着LDE-WHDI202TRなんと受信機の裏には1/4ネジ穴がある。取り付けに便利!


 問題はツルンとしたCheero Power Plus 2をどうやってカメラに取り付けるかですが、これも先日紹介した三脚にスマホを取り付けるためのホルダーを利用してみました。底に1/4ネジが切ってありますので、ここにアクセサリーシュー変換をかませば、カメラのシューにマウントする事が可能です。今回購入したのは「QH07C」というタイプでしたが、サイズ的にCheero Power Plus 2にピッタリでした。弊社が使うカメラは主にHM650かAF105で、かなり前傾重量になるかと心配されたのですが、実際は手持ちでもそれほどバランスが悪くなる事はありませんでした。しかし全体の重量は多少アップしますので、長時間の手持ち撮影では多少負担にはなるかもしれません。かくしてそれほどかさばる事なく長時間に渡っての無線伝送が可能になりました。


送信機側はL型のHDMI中継を利用でスッキリ

ホットシューまさにアンテナ風大した話ではないのですが、意外と便利だったので紹介しておきます。WHDI202TRの送信機はUSBメモリ程度の大きさなので、そのままカメラのHDMIに刺してもそれほどかさばらないのですが、後ろに出っ張るため不意に外的要因でポキっと行ってしまうのも怖いです。また他との干渉も心配されます。そこでフレキシブルのHDMI中継を使って送信機をアンテナのごとく上に伸ばしてみようかと思ったのですが、バタついた現場で使っている過程でフレキシブルの部分がヘタってきて送信機が下に下がってきてしまいました。そこで完全なるL型のHDMI中継を探していましたが、バッファローのBSHD13LHがまさに理想のものでした。Z5JやHM650、AF105などのハンドヘルド型カメラは、HDMI端子が縦に設置されているのですが、HDMIの形状から、L型を使うには、どちらに曲がっているかが重要です。弊社のカメラ、HM650とAF105は形状の方向が一緒でしたので、BSHD13LHがビンゴでした。他のカメラで使用の場合は端子の方向を確認してから購入したほうがよさそうです。



ペアリングにはクセがある?

LDE-WHDI202TR接続トラブル時の基本、電源ボタンを押しながら電源ON!あとは5秒以内に送信機のボタンを押す 先にも書きましたが、WHDI202TRは通信が途切れても、次に繋げる時にさほど時間を要さず映像が映るのが気に入っています。業務用の無線機だとペアリングが鬼門です。製品によっては一度映像が途切れると復帰までに1分近く待たされる事もあります。WHDI202TRの場合、すでにペアリングが済んでいれば、つぎに無線が途切れた際、そこからの復帰(映像が映る)はおおよそ10秒以内です。ただ、これにはクセもあるようで、時々うまくペアリングしなくなる時があります。その場合は一度両方の電源を切り(USBコネクタを外す)、受信機側の電源を「電源ボタン」を押しながらバッテリーからのUSBを差し込んで電源を入れます。電源ボタンが紫に点滅します。次に送信機にUSBを差し込んで電源を入れ、送信機側のペアリングボタンを押す事で復帰します。(受信機側の電源ボタンが点滅してから5秒以内に行う必要がある)馴れればトラブった時もすぐに復帰する事ができます。
ペアリングにクセがあるというのは、1)使用中にHDMIのコードが抜けた 2)使用中にカメラの電源をOFFにした 3)受信機側の電源を先に落とした という時にペアリングの破綻が起こり易いようです。ですので弊社では無線機の電源を切りたい時は、まず送信機側の電源を切り、その後無線機側の電源を切って、最後にカメラとモニタの電源を切る、というルールで使っています。これで今までペアリングが破綻した事はありませんでした。


遅延は1〜2F

購入当初は遅延をほとんど感じていなかったのですが、やはり遅延は存在します。ただこれはカメラのHDMIの出力精度にもよります。PanasonicのAG-AF105の場合、5〜6F程度の遅延がありました。JVCのHM650の場合は2〜3F程度でした。そこから考えると、WHDI202T自体の遅延は1〜2F程度かと思われます。音楽系での運用は注意が必要ですが、カメラによってはそこまで気になるレベルではなく通常の運用では許容レベルかと感じています。実際の遅延具合については、下記映像を参照ください。



課題は受信機の発熱

モニター発熱問題で夏場ロケでのモニターバッグ運用は厳しい。
電波法により室内でしか使えないのは残念ですが、あえてもう一つ残念な事を言うとすれば発熱問題です。特にWHDI202TRの受信機は使って行く過程でかなり熱くなります。弊社のロケでは真夏という事もあってか2度ほど、オーバーヒートでアウトになりました。ただし使用していた場所が室内とはいえ結構熱かったのと、モニターバッグに収納しての運用だったので、オーバーヒートするのは当然かもしれません。モニターバックに収納して、そのモニターをディレクターに首からかけてもらうと、立ち回りは非常に楽だったのですが、真夏のロケでは、できれば受信機は外に出しておいたほうがいいでしょう。幸い、WHDI202TRは何故か実機の裏に1/4ネジが切ってあるので、アームなどでどこかに取り付ける事は可能です。
 発熱がもう少し抑えられれば、いろんな所に収納できると思うのですが、夏場のロケでは出来る限り風通しのよい場所で使うしかなさそうです。冬はホッカイロ代わりにもなり逆にいいかもしれませんが(w


 先日、とある大型ガラス菜園(室内)でのロケで、このWHDI202TRが威力を発揮しました。一人しか乗れないゴンドラにカメラを設置し、菜園の上部まで上がっていって俯瞰を撮影したのですが、ディレクターは容易に下でモニターを眺めて指示を送っていました。コードレスは単純に便利になるだけでなく、いろんな場面で撮影の可能性を広げます。WHDI202TRはひさしぶりに弊社の中でヒットした商品だったというのは言うまでもありません。


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