2014年8月8日 of GAIPRO.NEWS

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日曜大工的GH4カスタマイズ

2014.8.8

 GH4ネタが続きます。弊社でも徐々にですがGH4の出番が多くなってきました。4Kで撮影し、最終的にFHDにダウンコンして使っています。(現状では4K完パケは未だありません)撮影の時点で画角をかせいでおける事はFHD作品にとってはアドバンテージです。また単純に4K→FHDでは通常のFHD撮影に比べ、高い解像感、色諧調が得られます。しかしながらGH4は良くも悪くもDSLRです。弊社でも実際の撮影現場で使用するために多少の工夫をしてきました。弊社でも長らく活躍したAF105ですが、HDMIやSDI出力に加え、ENGカメラでは馴染みのあるレンズリアのロータリーND装備が絶対的な便利さを感じていました。この便利さに少しでも近づけるようにと、ほとんど日曜大工の域ですがGH4をカスタマイズしました。(NDだけはどうにもなりませんが)弊社Facebookでは時々でご紹介してきましたが、一度情報をまとめるべく、前回のリアND制作に引き続き、今回はGH4用サポードロット作成、ZOOM H5を利用した音声入力等をご紹介したいと思います。


付けない、が基本 だが‥。

【サポートロッドやリグは、DSLR等で動画を撮影する上で不可欠なアイテムかもしれません。しかし無駄にてんこ盛りにして、せっかくのDSLRのコンパクトさが台無し、という事も少なくありません。弊社の場合、撮影の規模からDSLR撮影時はなるべく「付けない」スタイルを貫いてきました。たとえば、マッドボックスやフォローフォーカスは必須かと言えば、そうでもない場面もあります。逆に「付けない」事でDSLRの気楽さを損なわず現場で機敏な撮影が可能になったりもします。特にスチール用ズームレンズを多用する方は、こういった装備が仇になる事もあります。(経験している方は重々に分かっていると思います^^;)特に弊社の場合、1日の撮影でレンズ交換はかなり煩雑になる事が多く、出来る限りシンプルな装備のほうが良かったりします。

 GH4運用時にも同じ考えがありましたが、MicroHDMIの不安定さや、4Kへのシビアなフォーカス操作もあり、最低限のサポートロッドを作成する事に至りました。一番気を使った部分は「コンパクト・軽量化」です。目指すはAF105の大きさ、質量以上にはしない、という事です。そこで今回はストアポリゴンズさんで販売されていた長さ20cmのカーボン製ロッドの2本セットと、SUNRISEカメラ&三脚マウントプレートをベースに組んでみる事にしました。このマウントプレートの良いところは、コンパクトでありながらカメラの高さを変えられる部分です。組む段階で高さを微調整したい場面はありますので、この機構は必須です。
 ベースプレートの上下には、弊社でもおなじみのUN-8151クイックシューを取り付けています。(下にメス、上にオス)特に弊社の三脚はこのクイックシューで統一しているのもあり、必要に応じて現場ですばやく脱着が出来ます。サポードロッド無しでGH4単体で使いたい場合もワンタッチです。

サポードロッドベースプレート上下にはUNのクイックシューをそれぞれ取り付けワンタッチにサポードロッド必要な時だけこのサポードロッドを瞬時に付ける事が可能サポートロッドサポードロッドとカメラもワンタッチで脱着


ロッド後方にHDMI端子を設ける

HDMI粘着付ウレタンをスペーサーとしてかまし、しっかり結束バンドで固定。HDMI抜き差しに不安が無くなった。次に、HDMI端子をこのロッドに設ける事にしました。特にGH4からHDMI出力がMicroHDMIに変更になった事もあり、実機直での抜き差しは出来るだけ避けたいものです。そこで、アイネックスHDMI-HDMIマイクロ変換ケーブル 15cmを購入し、一般のプラ製ケーブル結束でロッドにくくりつけてみました。正直、ここはもう少しスマートな付け方をしたかった部分ですが、ロッドがカーボン製である事とHDMI端子がマットな感じの作りなので意外に滑ることなくしっかり固定されました。これにより抜き差しによる端子の摩耗や、ケーブル取り回し時の端子部への強いテンションを気にすることなく、気軽にモニター出力が出来ます。抜き差しによる事で端子が摩耗して来たら、この15cmの変換ケーブルを交換すればいい話です。(そういう意味でも結束バンドで取り付けるくらいの日曜大工がいいかもしれません)


意外と使える?激安フォローフォーカス

フォローフォーカスこの激安FFCはギア反転が出来るので動画レンズとは逆のフォーカスリングには重宝する フォローフォーカスですが、ここだけはいろいろ実機をいじったりして調べたのですが(ARRI、edelkrone、etc)検索して探した際に見つけた激安フォローフォーカスで落ち着いています。理由は軽かった事、また、予想に反して意外にギアのアソビも無くトルクもあり実用範囲でないかと思った事です。(おそらくAmazonで出てくるものと同じとは思いますが、レビューには逆回転時のアソビが惨いと書かれていたので、微妙に違う?弊社の買ったものはそこまで感じません)ただ耐久性はわかりません。そもそもの話、弊社が主に使っているLumix製のレンズは、ほとんどが電子制御のピントリングです。たとえフォーカス範囲に印を付けたとしても、実際に回すと、回すスピードで絶対位置がズレてしまいマーキング用途では使い物になりません。Lumix製レンズでフォローフォーカスを使う場面は限定的かと思われます(手持ち撮影等は操作スタイルとしては便利かも)ただしフォクトレンダーノクトンのような、きちんとフォーカスがマークできるレンズ、その他レンズマウントを介してNikonやEFレンズを使う場合はフォローフォーカスの意味が出てくると思います。特にNikonやタムロン、シグマのレンズなど、動画レンズとは「逆方向」のフォーカスリングを持つレンズの場合は、ギアを反転させる事で方向を「順回り」で扱えるようになるので大変便利です。(コレ、この激安FFCで出来ます。)フォローフォーカスFFCハンドルは規格統一で他のFFCにも使えそう
 さらに、激安FFCの延長ハンドルもAmazonで検索すると出てきます。ためしに買ってみましたが規格が共通なので、なんならARRI等にも使えます。マーキングして誰かにフォーカス送ってもらう場面では役に立つかもしれません。
 いずれにせよワンマン運用が基本の弊社ではフォローフォーカスを使う場面は限定的で、ほとんどがレンズ単体で使う事になると思います。これはあくまでスタイルの問題かと思われますが特に不便は感じていません。(今回に関しては、フォローフォーカスがある=確実なフォーカスが取れる、とも思っていません)ただ、ロッドに付けるとなんとなく形になるので、急務でない場合はスタイルとして付けている事も多いです。

1/4ネジこれがあると、何かと追加できそう。 最後にアキバで見つけた、ロッドに1/4ネジ穴を追加するためのアクセサリーを装着し、それに小型アームを取り付けて完成。何かちょっとした小物を付ける際に便利かと思います。装備そいえばこれくらい。全体としてAF105程度のまとなりになったと思います。

音声入力はZOOM H5を利用

ZOOM H5H5はコンパクト多機能レコーダーゆえにGH4にはベストマッチ  最後に音声です。GH4のMic入力はミニジャックですので、これをXLR入力(+48V電源付)に変換するために、今回はZOOM H5を利用しました。何故素直にYAGHGでないかというと、1番は電源問題、2に操作性、3に値段です。残念ながら総合的に見て、GH4運用の場合は外部レコーダー利用のほうが身軽、手軽と判断しました。ZOOM H5の場合、Line出力が設けられていますが、特筆すべきは、このLineアウトはH5のメニュー内でMicレベルに可変可能、という事です。ですので、ZOOM H5のラインアウトから直にGH4のMicインにステレオミニケーブルで入れてあげるだけで完結します。(かさばらないように30cm程度の短めのミニケーブルで接続)ZOOM側のLine出力設定は「-30db(最低)」にしておく事で、音が歪むことなくGH4の音声入力に入ってきます。また、できるだけ背景のホワイトノイズ(サーっという音)を出さないために、GH4側は最低レベルの-12dbにしておきます。この状態で、あとはZOOM側のマイク入力ボリュームで全体的な音量を調節します。同じ事が前モデルであるH6でもファームアップで可能になりましたが、H5のほうがよりコンパクトな裸体ですので、GH4にはベストマッチと感じます。
ZOOM H5天面の入力選択ボタンはわかりやすい。ボタンを押すと入力ソースのLEDだけがハイライトする H5の入力選択ボタンはとても分かり易く、押したボタンの音声のみがアクティブになる仕様です。XLR入力の場合は、「1」もしくは「2」のボタンを押せば、GH4側にはH5のXLR入力音声が行きます。H5のXLRの片チャンだけ入力されている場合は、田例えば「1」のボタンを押して設定でモノミックスを選んでおけば、GH4側のL,R両方に音声が入ります。一方「1」「2」の両ボタンを押した状態で、XLR両方に個別のMicを接続しモノミックスをOFFにすれば、GH4側には、LにXLR1ch、RにXLR2chという具合に個別の音声が入力されます。もちろん、XLR入力に関しては個別にファンタム電源のオンオフが可能で、電圧も3種類から選べます(通常は+48V)
 また、1ch、2ch個別にリミッターやコンプ等も設定できるので、過大入力時の保険としても助かります。通常の取材であれば、LIMITER1(GENERAL)で良いでしょう。GH4側の音声リミッターも基本ONにしておりますが、きちんとレベルがとれていればH5側のみでかまわないかもしれません。
 ZOOM H5/6の面白いところは、XLR入力の他に、実機付属のMicを取り外し、オプションのショットガンマイク等のいろんなMicに変更できる部分です。さらに、Micの変わりにXLRユニットにも変更でき、合計で4chのXLR入力が可能になります。もちろんZOOM側では4ch個別レコーディングにも対応しています。そして最後になんといっても駆動のスタミナ。乾電池2本で連続10時間の録音が可能。まさに鬼に金棒のレコーディングユニット、音声に限って言うなら便利さは正直YAGHGの比ではありません。(弊社的にはH5のUSBオーディオインターフェイス機能という違った側面も魅力があった&とても役立っている)
GH4これが今回の最終形。コンパクトにまとまったと思う 弊社ではAF105時と同様に、通常のインタビュー取材時などはXLR1chにラベリアマイク、XLR2chに保険のガンマイク、という具合でマイクを用意しています。ガンマイクとH5をコンパクトにまとめてGH4のシューに取り付けるために、シューを2分岐するアクセサリーを利用しました。これで見た目も使い勝手も、ほぼAF105と同じ、収納時、バラさなければならないのが若干のストレスですが、馴れてしまうと、数十秒でセットアップ完了です。


  さて、このセットではまだ数カ所のロケでしか運用していませんが、概ね良好な様子です。ただフォローフォーカスに関しては、実際あまり利用しておらず結局レンズのピントリングに直接手を伸ばしてしまっています。これはMFTのスチールレンズを使っている以上は仕方ないでしょう。(シネ用のプライムレンズを使うとかは別として)正直ギアにかまして、とかやっていると撮りたいものを逃してしまいます。スタイルもさることながら、弊社としては装備に拘らず、あくまで現場ありき、の装備で良いと思っています。中でもHDMIの抜き差しはかなり良好です。これだけでも日曜大工して良かったと思っています。またZOOM H5を利用した音声入力も快適で確実ですね。
 それでも、やはり恋しいのはAF105の操作性です。特にロータリーNDフィルターに馴れてしまうと、GH4での運用は厳しいものがあります。しばらくはこの装備で乗り切り、今年のInterBEEあたりでPanasonicさんがGH4とバリカムの「中間」の製品を出してくれることを切に願っています。


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